1963(昭和38年8月8日)生まれ、福岡県出身。しし座のO型。
1995年に福岡歯科大学大学院 修了後、福岡歯科大学小児歯科講座 助手となる。2000年に祖父の代から続く歯科を引き継ぎ、「しぶえ歯科・小児歯科クリニック」を開院した。長年、地域の小学校や幼稚園の校医として歯科検診を行い、予防歯科の啓蒙に務めている。
Q.歯科医になったきっかけは何ですか?
私の家系は祖父の代からずっとこの地域で歯科医師をしていまして、私自身も幼い頃から慣れ親しんだ歯科医を目指すことは、とても自然なことでした。
それで歯科大学に進み、小児歯科を専攻したのですが、なかでもお子様がころんで前歯をぶつけたり、口の中を怪我するといった外傷の治療を研究するために大学院に進み、大学院では博士論文のテーマにしました。
そんななか、父が開業していた歯科医院を移転開院するにあたり、私も地元に戻って父の医院で小児歯科を担当する予定だったのですが・・・。開院する数日前に父の病気が分かったため、私が急きょ跡を継ぐことになりました。そこからは必死で一般歯科を学び直しました。以来16年間、色々な症状に対応できるように日々勉強しながら歯科医を続けています。
Q.先生の診療コンセプトはどのようなものでしょうか?
患者さんにとって“最良の治療”を提供することです。歯の治療を行うにあたっては正確な診断を行い、患者さんに対して適した治療法を提案します。しかしこの提案は決して押し付けではありません。治療内容については患者さんのご希望を伺い、できるだけ尊重するように心掛けています。歯科診療のうえで最良の治療というものが、必ずしも患者さんにとって最良のものだとは限りません。患者様の経済状況やご家族の意向などが加わると、治療に関する優先順位が変わることもあります。私はそれらを加味しながら、患者さんが納得していただける治療を提供しております。
Q.この仕事に対して感じる、やりがいについて教えてください
当院は歴史の長い歯科医院なので、親子2代から3代に渡って通院されている患者さんも多くいらっしゃいます。そのため小学校低学年だった患者さんが久しぶりに来院された際には、りっぱな大人になっているということもあります。地域の中で長年に渡って患者様たちとつながりを持てることは、やはり嬉しいですね。
また、私は地域の小学校や幼稚園で歯科検診を担当しています。こちらに関しては、お子様や親御さん、学校や保健所などに対して「予防歯科」の啓蒙を行ってきました。その結果、校医をしている小学校では、6年生のあるクラスでは虫歯の総数が4本(該当者2名)だけだったという成果も出ました。その時は嬉しかったですね。
Q.先生のご専門は小児歯科の分野ですが、小児歯科に関してはどのようなこだわりを持たれていますか?
当院では、親御さんへの情報提供やアドバイスを分かりやすく丁寧に行うよう心掛けております。お子様のお口の中のケアについて、意外にご存じない親御さんも多くいらっしゃいます。例えば、乳歯の奥歯が抜けた跡をそのままにしている(本当は歯並びが悪くならないための治療が必要)といったケースです。そういった情報を提供することで、お子様のお口の健康を守ることができます。
かといって、親御さんが頑張り過ぎて疲れてしまうのはよくありませんから、徐々に知識を活かしていけるようサポートさせていただきます。その際に分からないことがあればお気軽に当院までご相談いただければと思います。
Q.高齢の患者さんに対する、入れ歯やインプラント治療に関してのこだわりはありますか?
当院では、高齢やご病気のために通院できない患者さんに対して、往診による歯科診療を行っております。そこでご家族から入れ歯のご要望をいただくこともよくあるのですが、かなり高齢の方や認知症の方に対しては、無理に入れ歯をつくるということはおすすめしていません。入れ歯は自分の歯の代わりですが、やはり人工物には変わりありません。それを口の中に入れるということは、認知症が進行している患者さんにとっては大きなストレスになりますので、その際はご相談させていただき、現時点でのベストな資料をご提供させていただきます。
そしてもう1つ、歯を失った方に効果的なのが「インプラント治療」です。
顎の骨に人口歯根を埋め込み、その上から歯をつくるインプラントは、自分の歯のようにしっかり噛める、食感を楽しめる、見た目が良いなどといった大きなメリットがあります。しかし、外科的手術を伴うなど高度な治療になるため、不安に思われる方も多いかもしれません。そこで当院では、お口の中を3Dで細密に診断できる「歯科用CT」を導入しました。治療に入る前に正確なシミュレーションができるので、大切な神経や血管を傷つけない、より安全で確実なインプラント治療が可能になりました。
Q. 「ヒアルロン酸治療」とは、どんな治療なのでしょう?
口の横に走る法令線や、上唇の上に入る縦じわなど、お口周りの気になるしわを目立たなくする治療です。しわ取りというと一般的には美容外科や美容皮膚科の領域だと思われていますが、実は口周りの領域は歯科医の担当分野なのです。加齢や歯を失ったことでできたしわに対して、高い保水力を持つヒアルロン酸を注射で注入します。これによってしわの部分がふっくらして、しわが目立たなくなるというわけです。お顔に注射を打つのは抵抗があるという方でも、注射の前には表面麻酔を塗りますし、ヒアルロン酸の液自体に麻酔成分が入っているので、痛みはそう感じないかと思います。ちなみに1度の注入で約9ヶ月ほど効果が持続します。
Q.最後に皆様へメッセージをお願いします。
「お口は、健康の入口」
だと私は考えています。人間の三大欲求のうちの1つである「食欲」に直結する場所ですし、お口の中が正常でないと体全体の健康も望めません。当院では皆様の健康につながる歯科診療を提供していきたいと思っています。
また、以前から私は地域の学校の校医として歯科検診を行ってまいりました。そこでは1人でも多くのお子様たちが健康なお口でいられるよう、親御さんや学校関係者、保健所などに対して熱く指導をさせていただいておりましたが、現在ではだいぶん肩の力が抜けたようで・・・元熱血の歯科医として(笑)、患者様やご家族と一緒にお口の健康を目指していきたいと願っています。
当院では私を含めたスタッフ一同が、患者様に対して温かいコミュニケーションができるよう努めています。お口の中に関する疑問や気になることがありましたら、お気軽に当院までご相談ください。